痛みの歴史とポリモーダル受容器
痛みの捉え方は時代によって違う
現在痛みは、脳で感じるものと認識されています。
どこが痛くても、脊髄を通って大脳で痛みの情報を処理します。
首から下の痛みなら、首の状態を良くすればすべて解決するという人もいますし、
首の上、脳を楽にすることこそが万能の治療という先生もいます。
私がする頭蓋骨調整法は脳の環境を整えることで、脳がリラックスるのを狙ったものです。
現在の痛みの認識に通じた考えですが、大昔は少し違っていたようです。
①ギリシャ医学:西洋医学の元になるのがギリシャ医学。
痛みは身体および精神に生じた不快な感覚の総称で管区よりも情動の方が重視されました。
また「こころ」は心臓にあると思われていて、痛みの根源は脳ではなく、心臓がになっていると考えれていたようです。
アリストテレス「痛みは感覚では無く、不快な常道である」
ピタゴラス「脳が痛みを知覚する」
レオナルドダヴィンチ「痛みは脳室で感じている」
デカルト「人には痛みを伝える専用の仕組みがある」
②19世紀後半から20世紀前半:感覚受容器が発見されていく。
痛みを専門に受け取る神経系があるという「神経特異説」と、
全ての感覚受容器への過度の刺激が痛覚を引き起こすという「非特異説」で論争が続く。
③1960年代後半:神経生理学の研究が飛躍的に集積され、人体の中には痛みを専門とする「痛み系」があることが判明。
正常なときに生じる警告信号としての痛みの仕組みがほぼ解明。
④1990年代:アロディニアや幻肢痛、寒くなると痛くなるなど正常なときとは異なった時のメカニズムについても科学的に証明される。
アロディニアとは、頭痛などで脳が過敏になり、本来痛くない刺激を痛みと感じてしまう(異痛症)。
⑤現在医療の痛みへの取り組み:積極的に痛みを取り除く、慢性痛症にさせない。
構造と痛みの関係から生物・心理・社会的疼痛症候群化している。
画像診断のMRI・CT・レントゲンと症状は一致していなくなっているので、
生理学的また心理学的な観点で機能的疾患としてとらえる。
痛みのポリモーダル受容器について
ポリモーダル受容器は痛みの出発点とも言われて、悪い刺激エネルギーを痛みの電気信号に変えて脊髄から脳へ送る変換器。
最初にビクン(イタッ!)とした早い痛みの後に、ズーン(痛ったぁーー)という鈍い痛みはポリモーダル受容器からのもの。
ポリモーダル受容器に何度も刺激を送っていると、刺激に対する閾値が低下してしまい、ちょっとしたことで痛みをとらえてしまう。
ロキソニンやボルタレンなど非ステロイド性抗炎症薬(NSAIDs)痛み止めは、ポリモーダル受容器が受信する悪い物質の合成を低下する作用をさせて消痛させます。

大阪府門真市寝屋川市のみならず、東京都奈良神戸市各方面から患者様が来院!
楽しい院長(笑)
栗岡昭男
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