A‐②股関節の解剖
股関節の解剖
股関節は骨盤にある寛骨臼と大腿骨にある大腿骨頭で構成される関節です。
寛骨臼には寛骨臼切痕という切れ目があり、寛骨臼横靭帯が横切っています。
寛骨臼を横から見るとCの字や三日月状に見えるので月状面と呼びます。
(寛骨は骨盤の坐骨と恥骨と腸骨を合わせた部分で、仙骨をはさんで左右臓の耳のようにあります。)
大腿骨は上部・中部・下部から3つに分けて、股関節に関与するのは上部の大腿骨頭、大腿骨頚、転子部になります。
大腿骨の上部は中部に対して内側に曲がっています(頚体角)。
真上から見ると前側に捻じれています(前捻角)。
この曲りにより体重を分散しています。
大腿骨頭と寛骨臼の月上面は関節軟骨で覆われていてクッションの役割と滑りやすくなっています。
(氷と氷を合わせて滑るときの摩擦は0.03ですが、股関節の摩擦はたったの0.005〜0.02なのでとても滑りやすいです)
寛骨臼の縁には関節唇どいう繊維軟骨が取り巻いていて、
これにより大腿骨頭が深く寛骨臼に収まり、股関節の安定性が増していきます。
股関節は関節包という袋で覆われていて、関節包の内側は滑膜があり軟骨に栄養を与えたり、
関節の潤滑油である滑液を分泌して吸収を行っています。
股関節の靭帯は腸骨大腿靭帯・恥骨大腿靭帯・鎖骨大腿靭帯という靭帯(一番強靭な靭帯)があり、
股関節が外れないように守ってくれています。
大腿骨頭への血管を導く靭帯が大腿骨頭靭帯です。