.

股関節痛B‐①骨盤の姿勢

☆股関節と骨盤姿勢

骨盤の姿勢

 

人間の身体の重心は骨盤の中にあります。

 

ポイントでいうと仙骨(第二仙椎)の少し前にあり、骨盤形状で女性の方が男性よりもやや低いです。

 

もちろん音など子供では違いますし、年齢とともに変化していきます。

 

ここで注意してほしいのは、解剖学体に骨盤の中に体重の中心である重心が骨盤の中にありますが、

 

歩くときは骨盤から動くよりももう少し上の臍の上くらいから脚が動きだすイメージの方が軽く歩けます。

 

これは整体的な考えで、股関節につく最も上にある筋肉大腰筋(腸腰筋の1つ)が第12胸椎から始まるからです。

 

これについては、別枠でお話ししたいと思います。

 

さて骨盤というとよく「ゆがんでいる」と表現されます。

 

骨盤の関節は動きますが、動きはとても小さいです。

 

見た目に歪んで見えるのは骨盤周囲のゆがみがほとんどです。

 

身体の使い方に癖がある為、前後左右の筋肉がアンバランスになり、

 

身体の土台となる骨盤と柱となる脊柱背骨はゆがみを確認しやすいので整体では、要チェックとなるのです。

 

ですが、見た目だけにとらわれないで、わずかな骨盤関節そのものズレなどもしっかり見ていく必要があります。

 

特に仙骨と腸骨で構成される仙腸関節は垂直面の関節なので、ここが緩んでしまうと全身に力が入りにくくなります。

 

表現でいうと「腰が抜ける」ような状態の人は、仙腸関節を締めてあげる必要があります。

 

骨盤の歪みがあると、股関節も左右の高さや前後の位置にも狂いが出ます。

 

右脚で片足立ちに右の股関節には3倍もの力がかかってしまうと言われています。

 

というのも、単純に2本で支えていたのが1本になり、2倍ですが、水平バランスとるために、

 

左側の骨盤を引っ張る力必要なので、もちろん挙げた左脚の重みも増すので、3倍もの負担がかかるのです。

 

そこに前後上下にゆがみなどが生じているとその負担はさらに増してしまいます。

 

(ちなみに、身体の重要配分は頭が約4%・頚部3%・体幹胴体49%・両上肢9%・両下肢35%位になります。)

 

骨盤を水平保っていられない症状に、トレンデレンブルグ徴候というものがあります。

 

トレンデレンブルグ徴候は支える側中殿筋という筋肉が麻痺してしまい、右側の骨盤が上がり左側の骨盤が下がってしまう症状です。

 

例えば右脚で支えている時には、左側に骨盤が下がり肩も左側に下がってしまいます。

 

明らかな麻痺の場合は手術の適応になりますが、赤ちゃんの時に先天性股関節脱臼を発見して手術する場合が多いです。

 

整体に来る方の場合は、一見するとわからないのですが、

 

中殿筋を含めた脚を外へ挙げる筋肉外転筋群が硬かったりすると片足になった時に骨盤の水平が保てずゆがみが出る人が多いです。

 

この外転筋群をほぐすことで骨盤が水平に保たれて腰痛や股関節痛、歩行痛などが楽になる人がいます。

 

(トレンデレンブルグ徴候の反対で、片足立位において、立位してる脚側に骨盤と体幹が傾くものをドゥシャンヌ徴候といいます。)

 

いい姿勢には骨盤にある体の重心に軸が通る必要があります。

 

基準は、正面だと、鼻のてっぺん-みぞおち-へそ-恥骨結合-両膝の中心-両くるぶしの中心。

 

後ろからだと後頭骨のでっぱり(後頭隆起)-背中の出っ張り(椎骨の棘突起)-お尻の割れ目(臀裂)-両膝の中心-両くるぶしの中心。

 

横からだと、耳たぶ(耳垂)-肩の真横(肩峰)-大転子-外果(外くるぶし)のやや前

 

この基準からずれてくると、土台の骨盤股関節と柱の脊柱が修正しようとして姿勢が歪んできます。

 

ここだけ治せばよいというものでなく、全体的に診ていく必要があります。

 

股関節骨盤のチェック

 

股関節が曲がりにくいのを調べるテストに「トーマステスト」があります。

 

股関節の屈曲可動域は約125度です。

 

これを基準に、テストします。

 

仰向けに寝て両足をぴたっと床に着けた時に腰が浮いてしまう場合、股関節の拘縮の可能性があります。

 

そのまま片方の股関節を膝を曲げながら屈曲していくともう一方の股関節も屈曲についていってしまう場合はそのついていった股関節は拘縮しています。

 

股関節が拘縮しているということは、関節そのものが硬いか、腸腰筋が硬いか、あるいは両方かを考える必要がありますが、

 

ほとんどの場合は関節も筋肉も固くなっているので、両方へアプローチする整体を行います。

 

さらに当院では硬い側の股関節だけでなく、左右均等になるように整体していきます。

 

股関節の硬さが骨盤を傾けてしまうことがあります。

 

色々なパターンがありますが、骨盤が前傾している出っ尻タイプと後傾しているへっぴり腰タイプです。

 

ともに腰痛を引き起こしやすいので、腰痛の患者様は股関節と骨盤の状態を必ず確認します。

 

後傾前傾を立っている時座っている時で比べたり、立つ座る動作の中で骨盤股関節の動きができているなども大事なチェックポイントです。

 

重心が収まる骨盤と骨盤に相互関係にある股関節は必ず見落としてはならない部分なのです。

お問合せ