腕の骨が2本とも折れた子供
前腕骨は2本あり2本とも折れていました
当院には骨折の患者様も来院されます。
今回は橈骨尺骨とも両方折れてしまった患者様で珍しいケースです。
多いのは橈骨という親指側の骨だけ折れる場合です。
この骨折はコーレス骨折と言って、高齢者が転倒して手を付いた時によくある手首のケガです。
上にあるレントゲン画像は、だれが見ても橈骨尺骨2本とも折れているのがわかると思います。
今はやりのジェイボードをしていて少し下り坂で勢いがついてしまって、転倒後に骨折に至りました。
骨折の当院での対応
院長栗岡は、柔道整復師の国家資格取得者ですので整復することが国から許されています。
整復というのは折れたり、脱臼した骨を元の位置におさめることです。
写真のようにものすごい腫れと折れ曲がった腕は間違いなく、2本とも折れているのが推察できます。
解剖学の知識を考慮して引っ張りながら骨を合わせていきます。
日曜日のことだったので、いつも紹介するクリニックは休診で、
整復後確認の為、日曜日診察している守口市の整形外科へX線を撮りに行ってもらいました。
さらに丁寧に整復してもらったようですが、尋常じゃないくらい泣き叫んでいたらしく相当な痛さだったと思います。
(もちろん局部麻酔をしていました)
ですが、きっちり整復しておかないと曲がった状態で骨がついてしまいます。
もちろんギプスもしてもらいました。
痛み止めも効いて帰宅後安心していたのですが
帰宅後は内服薬などが効いて、固定もしてもらい落ち着いて少し楽そうです。
昼寝して起きてくる頃には、痛みが出だしてジンジンする・指が腫れて痛い状態になってきました。
こうなると危険です。
ギプスで固定しているので、腕の腫れが逃げ場なく血管や神経を圧迫してきて、
数時間で麻痺を起こし一生指が曲がったまま動かなくなってしまいます。
(コンパートメント症候群によるフォルクマン拘縮といいます)
慌てて救急でギプスをカットしてもらうように、四條畷市にある救急病院へ駈け込みました。
対応が早かったので事なきを得ましたが、8時間以上ギプスをしたままだと後遺障害が残っていました。
念のため補足しておきますが、最初にみてもらった整形外科の先生の処置は、
保存療法(手術しない治療)としてギプスの巻き方は大変素晴らしい形でした。
それぐらいきっちり巻かないと手術なしの保存療法では上手くくっついてくれない骨折だったのです。
翌日入院手術となりました
2本とも折れていては、やはり保存療法だけでは骨癒合が上手くできないということで骨をピンでとめる手術になりました。
子供ゆえに全身麻酔で整復しなおして、X線をみながらピンでとめるのですが、骨が細いため時間がかかりました。
またそういう時は切開して繋ぐことが多いのですが、小さい子供で傷跡が残ることも考慮し、
時間をかけてもピンで固定しました。
麻酔が切れてからも大変で、普段よく寝る子供ですが、一晩中叫ぶように「痛いイタイいたい」と一睡もせず呻いたそうです。
少し座薬が効いたかなと思っても、また思い出したように痛みを訴えることの繰り返しで、
骨折といえ今回はかなり付き添いのお母さん含め心労が絶えません。
骨の痛み・骨折の痛みを止める麻酔整体
複雑骨折の場合は、無理ですが単純骨折の場合なら骨の痛みが止めることが可能です。
リズムよく脳へ刺激を送ることで、骨の膜である骨膜から発する痛みを麻痺させることができます。
脳への刺激は難しく、当然直接脳を触ることはできません。
またボクシングのようにあまりに強い力でたたくのは、本末転倒です。
ですが、顔にある特殊なツボからコツコツと押したたいていくと痛みが和らいでいきます。
もし、骨折でなくても骨の打撲などでお悩みの方はぜひ当院までご相談下さい。
ここまでお読みになって頂いた方へ
いったいどんな子供だったのか?気になってる人もいるかもしれません。
なんとなくですが、感のよい人なら察しがついているかもしれません。
すでに最初の画像でわかっていた人もいるかもしれません。
この骨折した子供というのは、院長の次男です。
今回我が子がこのような事態になり、改めて医療に携わることの尊さや大病院での半日の待時間の辛さ、
入院して普段あまり関わらない病気の患者さん、
そして、健康であるということの有難さや家族が一つ屋根の下スヤスヤ安眠できる幸せなど
再確認できた次第です。
この度も、行く先々でのご縁に深く感謝いたします。
ありがとうございました。
また悪さして怒られるくらい、早く元気になれよ。